声優の仕事-アニメのアフレコ

アニメのアフレコ

 声優の仕事で一番に思い浮かべるのはアニメのアフレコだと思います。
 声優を目指す人にとっては、憧れの仕事といえるでしょう。
 アニメで活躍して人気者になりたいと考える方も多いと思います。それはそれで素晴らしいことですが、声優の本分は声の演技です。
 アニメの仕事は声優の仕事のうちのほんの一部であることを理解しておきましょう。

 

 アニメは企画が立ち上がったら原作や脚本をもとに作画制作がスタートします。
 作られた動画にアフレコされたセリフや、音楽、効果音を合わせて完成となります。
 アフレコの段階では完全な動画ではないことも多いです。

アニメのアフレコにおける声優の仕事

 アニメのアフレコにおける声優の仕事を順を追って説明します。

 

台本・練習用映像配布、そして準備・練習

 台本と練習用映像を受け取ったら、本番までに前もって練習しておきます。
 しっかり練習して望まないといい演技はできません。
 どんなベテランでも新人でも一緒です。

 

 練習用映像は完成された動画でないことがほとんど。
 線画や絵コンテの状態だったりします。
 口パクがはっきりしないことも多いので、台本からイメージを含まらせる必要があります。

 

 映像のチェックは念入りに行います。
 どんな演技をするかも考えなくてはいけません。

 

 声優の仕事ではこういった準備の期間がとても長いのです。
 ベテラン声優でも30分のアニメに1時間~2時間と準備・練習に時間をかけています。
 スタジオでの収録だけが労働時間ではありません。

 

演出方針の説明

  録音スタジオに入って行われるのが、音響ディレクターによる演出方針の説明です。

  • 収録する作品の概要
  • あればセリフの変更等
  • 演技のタイミングの確認

 など。

 

リハーサル

 全体の流れをつかむためにモニターで動画を見ます。
 声優は動画を見ながらセリフを確認します。

 

テスト

 通しのテストをします。
 声優は演出方針に従ってマイクの前で台本を読んでいきます。
 映像にセリフをいうキャラクター名が表示されるので、それに合わせて声をのせます。

 

演技の修正

 音響ディレクターが演出意図に沿わない演技に対して、声優に修正の指示を出します。
 細かく具体的に注文が出ます。
 この後ラストテストをして、さらに演技の修正が入ります。

 

本番

 いざ本番。
 スタジオに設置されたマイクをそれぞれの声優が交互に使います。
 マイクの前に立つタイミングも重要です。

 

NG・部分撮り

 本番でひと通り収録したら、ミスも含めて音響ディレクターが撮り直したい部分を収録します。
 大勢の笑い声や雑踏のシーンなどのガヤもここで収録します。

 

アニメの収録時間

 30分のアニメを録るのにかかる時間は、ディレクターにもよりますが、平均して3時間から4時間です。

仕事のとり方

オーディション

 声優プロダクションなどにオーディションの案内がきます。
 ボイスサンプルを送り、それが通過すれば最終選考となります。
 最終選考では、実際のキャラクターのセリフを読むなどの審査が行われます。
 ただし、人気の仕事なので、オーディションの倍率も高いことも覚悟しましょう。
 プロにも厳しい審査が待っているのです。
 プロダクションに所属しているからといって、安泰なわけではありません。
 ベテランの声優がふらっとオーディションを受けにきて、しかも合格してしまうなんてこともあるのです。
 そんなアクティブなベテラン勢に若手も奥手になっていてはいけないのです。

 

 大切になってくるのは自己プロデュース力です。
 プロダクションに入っているだけでオーディションが回ってくるとは限りません。
 自分の武器を磨いて、マネージャなどにアピールする力が大切になってきます。

 

オファーが来る

 ベテランで信頼のおける声優や、売れっ子の声優には直接オファーが来ることもあります。

 

 オファーをもらえるような声優になれるよう、一つひとつの仕事を大切にしましょう。
 特定のキャラクターを演じて人気が出れば、次への大きなステップになります。
 端役からスタートし粘り強く努力して、やがて大きな役をつかむというケースも多くあります。

 

起用を決めるのは

 アニメの声優の決定権を握るのは音響ディレクター、プロデューサー、監督、原作者などです。
 スタッフの信頼を得るためにも、一つひとつの仕事を大切にしていきましょう。

 

 基本はオーディションからキャスティングしますが、たとえ落ちたとしてもスタッフの目に止まれば、メインではなくとも別の役を与えられたり、次回作で起用されたりすることもあります。

技術的なことあれこれ

マイク位置の移動

 録音スタジオの声優が入るブースには、マイクが4本設置されているところが多いです。
 収録にはマイクの本数以上の声優が参加します。
 そのため、声優は自分がしゃべるタイミングでマイクに立つ必要があります。

 

 マイクの割り振りに特に決まりはありません。
 セリフの多い順に優先されていく傾向にあります。

 

マイクが4本が多い理由

 昔はマイクが故障するとボンという大きな音がして、機材が全部故障してしまう恐れがありました。そんなときフェーダを瞬時に下げて対処する必要があるのですが、その時に同時に対処できるのがマイク4本分のフェーダであることからと言われています。

 

マイクを替えてはいけない

 テストと本番で違うマイクを使ってはいけません。テストの時にマイク毎にボリュームの調整をしているからです。マイクを替えてしまうと、せっかく調整した意味がなくなってしまいます。マイクを替えたい場合はそれを伝えましょう。

 

 

難しいセリフを切り抜けるために

 アニメのセリフには、なかなか現実生活ではお目にかかれないようなものがあります。
 そんなセリフにいきなり立ち向かうのは大変です。
 台本を読み込むことはもちろん、普段からアンテナを張り、どんなことも吸収するという貪欲さが大切です。

 

 いくつか実例をあげます。

 

食べながらのセリフ

 口の外側と内側の筋肉、そして舌を同時に動かしながらしゃべると、食べながら話している雰囲気を出しやすくなります。

 

口を塞がれている時のセリフ

 実際に手で口を塞ぎ、少し指を広げて、何を言っているのかが分かるようにしゃべるといいでしょう。

 

 

さまざまなセリフに対応できるように、なにごとも貪欲に吸収しよう。

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