ナレーション
ナレーションは何かの役柄を演じるわけでなく、正確に分かりやすく物事を伝える力が求められます。
発声や表現の基礎をしっかり学んできた声優やアナウンサーが専門とする仕事ですが、味のあるナレーションを狙って、俳優やタレントが起用されることも少なくありません。
コンテンツの多様化、ネットの台頭などにより、さまざまなジャンルのナレーションの仕事があります。
ナレーションの種類
ニュース
ニュースでは事実を正確に伝えることが求められます。
ニュースは鮮度が求められるので、編集期間も短く、ナレーションの練習時間も十分にありません。
事前に映像を見ないで本番に臨むこともあります。
ドキュメント番組
ドキュメント番組でも事実を正確に伝えることが求められます。
ニュースと違って、完成した映像に声を当てることになります。
ほぼ全編がナレーターによって語られるので、説得力がありかつ味のある語り口調が求められることもあります。
バラエティ番組
バラエティ番組といってもジャンルはさまざまです。
その番組の意図を汲んだセンスや表現力が求められます。
CM
CMで流れるセリフもナレーションの仕事のひとつです。
短いからといって簡単ではありません。
クライアントである企業にとってCMは宣伝の要といえるもの。
それだけ責任も重大です。
ですから、演出も細かく、撮り直しも多くなります。
15秒、30秒で視聴者の購買意欲をかきたてなければいけない難しい仕事です。
その他
- 旅先で耳にする観光案内ガイド
- スーパーやデパートなどの店内放送
収録の流れ
選考
基本的にオーディションは行われません。
声や語り口調が映像のイメージに合うかどうか、ボイスサンプルなどから選考します。
これまでのナレーションの仕事ぶりを評価されて選考されることも多いです。
原稿・映像確認
声優は、原稿とともにナレーションを入れる映像を確認し、話すタイミング、時間、スピードを決めます。
収録
基本的にオンリーで行われます。バラエティ番組などでは演者と一緒に収録することもあります。
比較的短時間で終わることが多いです。
ナレーションのポイント
尺に合わせる
映像に合わせることが、ナレーションの仕事で最も重要とされます。
適切なタイミングで開始、間の空け方、話すスピード、そして終わらせ方。
映像の理解力、表現力など、確かな技術が必要とされます。
決められた時間内でいかに表現できるかが試されます。
心地良く聞き手に届ける
言葉が心地良く聞き手の耳に入っていくために、次のことが重要です。
- 間の取り方
- リズム
- アクセント
- 違和感を感じさせない表現・演技
誰にでも分かりやすく
目で読めば簡単に理解できる短文でも、耳で聞いてみると理解しづらいことがあります。
しっかりした発音で、老若男女全てに分かりやすく伝えられる能力が求められます。
ナレーションのギャラ
ナレーションのギャラはアニメより高く設定されることがほとんどです。
ナレーション1回でアニメ10回分のギャラになることも。
拘束時間もアニメに比べると、とても短い。
経済面だけで見ればナレーションのお仕事の効率はかなり良いといえるでしょう。