発音
声優でセリフをいったり、ナレーションをするときは標準語が基本です。
標準語には2つの特長があります。
- 母音の無声化
- 鼻濁音
この2つの特徴を理解し、勉強しましょう。
母音の無声化
「子音」+「母音」で成立する言葉の、母音を発音せずに、子音だけを発音することです。
例えば、菊[ki-ku]を標準語で発音する場合、最初の「キ」です。母音の[i]は発音せずに、子音の[k]だけを発音します。
母音の無声化の法則
1.「キ」「ク」「シ」「ス」「チ」「ツ」「ヒ」「フ」「ピ」「プ」「シュ」
これらの音の次の音が、これらよりも高く(あるいは同じ高さで)、「カ行」「サ行」「タ行」「ハ行」「パ行」「シュ」であること
キク(菊)
チカラ(力)
ツカレル(疲れる)
キシュウ(奇襲)
など
2.「ハ」「ホ」
これらの次の音が、これらよりも高く(あるいは同じ高さで)、母音が同じであること
ハカ(墓)
ハナス(話す)
ホコサキ(矛先)
3.「カ」「コ」
これらの次の音が、これらよりも高く(あるいは同じ高さで)、同じ音であること
カカク(価格)
ココ(ここ)
鼻濁音
ガ行のうち、少し鼻にかかったような柔らかい音で発音するものを鼻濁音といいます。
ただ、全てのガ行を鼻濁音で発音するのではなく、法則があります。
鼻濁音の法則
1.助詞の「が」
ワタシガ(私が)
2.状態を表す繰り返しの言葉で第1音が濁音でない言葉
モグモグ(もぐもぐ)
スゴスゴ(すごすご)
3.濁音でない言葉が他の言葉と合わさることで、濁音になった時
ノミグスリ(飲み薬)
カザグルマ(風車)
イチゴガリ(いちご狩り)
4.「ぐらい」「ごとし」
アレグライ(あれぐらい)
カゼノゴトシ(風のごとし)
5.単語としての意味が強い数字(九九や人の名前、「五」の入った名前など)
ゴゴニジュウゴ(五五、二十五)
タメゴロウ(為五郎)
シチゴサン(七五三)
6.外来語
プロローグ
キング
ボクシング
鼻濁音練習のポイント
慣れないうちは、「ボクシング」や「キング」など、鼻濁音の前に「ン」が付く言葉から練習を始めてみましょう。
標準語にはパターンがある。頭で理解し身体で覚えよう。